この仕事をやっていると、当然のことですが沢山のハワイアンキルトを目にする機会があります。決して安い買い物ではないだけに、質のいい製品を手に入れてほしいものです。
さて、失敗しないハワイアンキルトの選び方ですが大きく分けて、
1.デザイン、 2.色合い、 3.質、 4.販売のされ方 の4つを見なければなりません。
1. デザイン
パッと見て何をモチーフにしているのか分らないものは素朴という言い方がありますが、良いデザインとは言えません。ハワイアンサンブラーのようなフレンドリーキルトは別にして、中心から放射線状にアップリケがダイナミックに広がっているか。表地の上にモチーフの植物や動物が生き生きと表現されているかがポイントです。ただ最近は、表地の上に1枚の葉が置いてあるような幾何学模様ではないキルトも出てきています。
2. 色合い
それぞれ好みが異なりますので、好みの色合いを探せばいいのですが、どこに飾るのか、その部屋の色合い、使い方に合っているかを考慮に入れなくてはなりません。色合い、使い方については、後日踏み込んでお話したいと思います。
3. 質
質のいいハワイアンキルトはどこをみればいいのでしょう。ポイントはたくさんあります。
① アップリケが正確な幾何学模様になっているか。
ハワイアンキルトのアップリケは1/8に折りたたんだ生地をザクザクと切り、広げてたてまつり縫いをするわけですが、切り方が雑であったり、生地がずれたりするとモチーフがきちんと表現されていなかったり、幾何学模様がずれたりします。まず全体をみて確認してみましょう。
② ワンフィンガーの間隔。
アップリケからエコーのように響いて広がる波がハワイアンキルトの特徴の一つですが、このエコー(ウエーブともいう)の間隔が人差し指の幅になっているか。たまに、トゥーフィンガー、スリーフィンガーを見ることがありますが、幅が広ければ、その分キルティングは楽なわけです。
③ エコーがしっかりキルティングされているか。
キルティングの針を刺す間隔が広いとエコーがゆるゆるになります。キルトの裏面を見ていただき、きちんと表面のアップリケやエコーが出ているか、良いキルトというものは裏面でも飾れるものです。
④ アップリケのたてまつりぬいの間隔。
1ミリから3ミリ程度の間隔でたてまつりぬいがされているか。ハワイアンキルトのアップリケは生地を内側に折り込みながらたてまつり縫いをしていきます。これにより立体感が出るわけです。
4. 販売のされ方
① 品質表示タグが付いているか。
日本では、生産国、商品の材料、洗濯方法の表示が義務付けられています。購入するときは、品質表示タグが付いているか確認するのも必要です。
ハワイで販売されているハワイアンキルトでもその99%以上が国外で作られたものといわれています。残念ながら、あたかもハワイで作られたような言い方で販売している業者があるのも事実です。
② 検針機できちんと検針しているか。
肌にふれる生地ですから、検針することは当然ですが、検針機で検査していないところもあるようです。本物のハワイアンキルトは長い時間をかけて人の手で縫われます。毎日針の本数や折れの確認をきちんとしていない業者や、雑然とした作業所では鉄片や針の置き忘れが生じる可能性があります。実際、この仕事をするずっと前に購入したハワイアンキルトから、小さな金属片を検出したことがあります。小さな金属片は手で触った程度ではわかりません。検針機で調べてはじめてわかるのです。きちんと検針機で検針しているのか確認することが大事です。